Lichenology Cover Illustrations
学会誌Lichenologyの表紙を飾った写真をカラーで公開しています.
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コアカミゴケ
赤い子器を付けた本種は,小さい割には比較的人目につきやすい.本種は日本では低地から山地にかけて広く分布し,地上・朽木・針葉樹の樹幹上に生育する.千葉県市原市民の森にて,2007年9月13日,原田浩撮影.
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ツブミゴケ
ハナゴケ科に属する鱗片状地衣である本種は,日本と台湾にのみ分布する稀産種である.国内では西日本の数箇所の古い針葉樹林に見つかっているが,この写真にあるように主としてスギの樹幹に生育している.高知県にて,2005年9月11日,川又明徳撮影.
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オオキゴケ
関東以西の主に低地に分布し,渓谷の岩壁などによく見られる.キゴケ属の中では比較的大形であり,擬子柄に粉芽塊を生ずることと,嚢状の頭状体を持つことで容易に区別できる.愛媛県面河渓にて,2006年9月24日,原田 浩撮影.
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ナギナタゴケ
しばしば高さ10cmを超える子柄はほとんど分枝せず,先細りする姿は,和名のとおり薙刀を連想させる.高山の地上に生え,ハイマツの根元の半日陰の地点(写真左)や,矮性低木に混じることが多い.北海道ニペソツ岳標高約1800mにて,1986年8月21日,原田 浩撮影.
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オガサワラスミレモモドキ.
扇形の地衣体は菌糸が絡みついたスミレモ属近縁の糸状緑藻が集合してできていて,上の面には小さな半透明の子器が時々見られる.小笠原諸島と琉球列島の湿った場所に生育する.小笠原諸島母島,標高約200mの樹幹上にて,1995年5月,原田 浩撮影.
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Lethariella sernanderi.
雲南省北西部の高山に分布する.雲南省では紅雪茶と呼ばれ,雪茶(ムシゴケ Thamnolia vermicularis)とともに健康茶として利用されている.中国雲南省白馬雪山標高3850mにて,2003年9月12日,原田 浩撮影.
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ムシゴケ.
日本では本州中部と北海道の高山にのみ見られる稀産種である,しかし近年,”雪茶”の名で中国雲南省から輸入され,ダイエット茶として有名になった.北海道芦別岳にて,1986年8月9日,原田 浩撮影.
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ミヤマハナゴケ.
日本の高山を代表する地上生樹状地衣,本州中部および北部,北海道の高山に多い.四国からも記録がある.長野県蓼科山 天狗の露地(標高2150m)にて,2004年6月10日,安斉唯夫撮影.
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ナメラカブトゴケ.
日本の冷温帯ブナ林を代表する種だが,中国雲南省では針葉樹林が卓越する高度に分布する.中国雲南省麗江県の老君山,標高約3500mにて,2003年9月15日,原田 浩撮影.
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巨大なサルオガセ.
長野県入笠山から釜無山にかけてカラマツ林には多量のナガサルオガセが生育している.この写真が示す塊は,長さ5mを超え,特に巨大である.2002年10月6日,中村正吾撮影.
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巨大ヘリトリゴケ.
和歌山県古座川町の古座川沿いにある景勝地「一枚岩」は,巨大な岩壁である.ここには直径1mを超す巨大な地衣のパッチが多数見られ,横1565mm,縦1845mmに達するものも.各パッチは地衣1個体からなる可能性がある.このような巨大でしかもほぼ円形のものはとても珍しい.2001年7月20日,木本隆三撮影.